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記事2001年1月23日 2号 (2面) 
授業参加の動機づけ 短期大学部門検討会議開く
私情協
マルチメディア利用し授業改善
実践など5短大から事例報告
 短期大学において専門授業にマルチメディアをどのように採り入れれば授業改善に効果的かを探ろうと、私立大学情報教育協会(戸高敏之会長=同志社大学工学部教授)は一月十三日、千葉県流山市の江戸川大学で「第八回短期大学部門検討会議」を開いた。加盟短大から六十人の教員らが参加。会議では、マルチメディアを利用して授業改善に取り組んでいる短大の教員五人から事例発表が行われた。
 実践女子短期大学の三田薫講師は、総合的な英語力育成のための授業「英語情報処理」の実践を紹介。一般教室でノートパソコンを利用してプレゼンテーション、英語リスニングを、コンピュータ演習室でパソコンソフトを活用した英文作成の授業を実施。このうちリスニングの授業では、▽学生が積極的に授業に参加する動機づけとなった▽自分の声とネーティブの声との違いを自分の目で確かめ、それについて講義を受けるという発見・理解型の学習が可能になった▽コンピュータを用いたリスニング診断テストで、学生一人ひとりの能力診断とそれに基づいた重点学習内容を提示することができたと、実践の成果を報告した。
 玉川学園女子短期大学の照屋さゆり講師からはロータス・ラーニング・スペースを活用したネットワーク授業「情報科学入門」を担当しているが、学生の反応は「自分のペースでいつでも学習できる」「他者の意見がわかり、参考になる」と、おおむね好評だとの報告があった。この授業実践からは学生の自主的な学習態度の育成、ディスカッション能力・文書作成能力の育成などで成果を得られたとし、今後の課題としては学習の評価の問題、リアルタイムチャットの利用などを挙げた。大谷女子短期大学の出水純子教授はインターネットを利用した授業「海外ネットワークイングリッシュ」の実践を紹介。
 インターネットを英語教育に導入した教育効果として、学生の個別指導ができること、クイズの答をコンピュータを使って作成させ、モニターで他の学生に見せるので、授業に参加しているという実感を持たせることができることなどを挙げた。そのうえで、インターネットは学生の自律性・創造性を育てる授業環境を育てる授業環境を構築する可能性をもっていると指摘し、教員は知的資源へのアクセスガイド役、学習コーディネーターとしての役割を担うべく意識変革が必要だと指摘した。
 このほか同会議では、稲葉和也・徳山女子短期大学助教授がハイパーテキストを利用した授業「経営史」について、山口典子・十文字学園女子短期大学講師がCAD・CGを利用した服飾設計実習について、それぞれ発表した。
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