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記事2001年4月13日 10号 (2面) 
私大協総会 国大独法化への対応
私大独自の評価システム構築など重点に
 日本私立大学協会(大沼淳会長=文化女子大学理事長・学長)は三月二十八日、東京・市ヶ谷の私学会館で第百十四回総会を開き、平成十三年度事業計画を決めるとともに、行政改革や中央省庁再編に関する動向、今後の大学改革問題への対応策などを協議した。事業計画では、特に私立大学を取り巻く諸情勢を踏まえ、重点目標事業を定めた。
 重点目標事業は、▽国立大学の法人化問題への対応など、高等教育の発展にかかわる調査研究の推進と対応▽私立大学の特性に配慮した「大学評価システム」の具体的在り方に関する調査研究の推進▽各種審議会への対応や情報公開問題対策など、行政改革関連の諸問題に関する研究と対策の推進など十項目からなっている。
 また、協会の附置研究所である私学高等教育研究所(喜多村和之主幹)の事業計画も決定。私学の大学評価の在り方についての調査研究と私学自身の評価体制の形成に関する研究、国立大学の法人化を前提とした場合の私学の対応などを重点課題として取り組んでいく。
 行政改革や中央省庁再編への対応策としては、情報公開法が四月一日から施行となり、学校法人も請求があれば個人的情報以外は三十日以内に公開することが義務づけられることになったため、これへの対応について協議。財務諸表も含めて公開となると、大科目のみならず、経営方針にかかわる中・小科目まで第三者から公開請求が出されることも考えられるため、協会としては基本問題研究委員会が中心となって文部科学省と折衝し、公開の範囲について結論を出すことになった。
 私立大学への影響がきわめて大きい、国立大学の独立行政法人化問題については、文部科学省の調査検討会議に委員として参加している大沼会長、小出忠孝副会長、黒田壽二常務理事、田中健藏常務理事の各氏がそれぞれ同会議での議論の進ちょく状況などを報告。現在、一国立大学一法人とする構想が進んでいるとし、国立大学が独立法人化した場合の法人の長と学長との関係が大きな問題だとの指摘があった。各氏とも私立大学と公平に競争できるシステムをつくり、私立大学への影響に配慮すべきだと、私立大学の立場からの意見反映に努めているとした。
 この問題に関連して喜多村主幹は、国立大学協会の特別委員会(委員長=長尾真・京都大学長)がまとめた「長尾試案」を既得権益を維持しようとするものだと指摘。また、大学評価問題に関して、私立大学の特性を生かした評価システムをつくるべく、研究所で検討を進め、十三年度中には何らかの方向性を提示したい、とした。



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