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記事2002年11月3日 1869号 (2面) 
国際交流推進をテーマに協議会
私大の果たすべき役割で講演
私大連盟
 日本の国際交流における私立大学の果たすべき役割を考えようと、日本私立大学連盟(奥島孝康会長=早稲田大学総長)は十月二十一日、東京・市ヶ谷の私学会館で初の「国際交流推進協議会」を開催した。加盟校の学長や国際交流センター長ら約八十人のほか、駐日大使館員も参加した。文部科学省の木谷雅人大臣官房審議官、長田豊臣・立命館大学総長・学長、水田宗子・城西国際大学長の三氏が基調講演を行い、これを受けて、今後の私立大学における国際交流や留学生交流の在り方について討議を行った。
 開会に当たって、同連盟国際交流委員会の志村尚子担当理事(津田塾大学長)は「グローバル化は抗しきれない大きな流れ。高等教育の分野における適切な対応の必要性に迫られている。日本の高等教育をよりよいものにするために、考えを分かち合いたい」と、開催の意義を述べた。
 木谷審議官はこの十年の大学改革の動きを(1)社会の高度化・複雑化に対応した人材養成の強化(2)生涯学習体系への移行(3)国際的大競争時代、グローバル時代への対応の三点に整理。学校教育法の改正案が今国会に提出されたが、その柱の一つとして大学の質保証システムの構築を挙げた。規制改革の動きの中、事後の評価の重視は国際的流れになっているものと位置づけた。留学生政策の推進に当たっては、各大学が個別に提携大学を探すという現状から、複数の大学が共同して交流を図るコンソーシアム方式への転換を促した。
 長田総長・学長はなぜ私立大学にとって国際交流は必要であり、どのような役割を果たしていけばよいかという観点から講演。教育も世界市場に通用することが要求されているが、国がイニシアティブを取った形での交流では望ましい交流はできないと指摘。「民」に寄与した交流こそが本物だとし、世界から日本の大学に若者を受け入れていかなければならないとした。また、共生と相互理解の世紀である今世紀は、大学間の国際交流は大きな流れになると述べた。
 水田学長は(1)グローバル時代の国際交流(2)人材育成の必要性(3)支援体制の充実の三つの観点から講演した。日本の大学はこれまで大学改革のコアとして国際交流に力を入れてきたと評価する一方で、日本人学生と留学生に対する施策が同じ枠組みの中で考えられてこなかったと指摘。留学生教育の充実、女性人材の育成に努め、多元的なプログラムへの支援を行っていくことが必要だとした。
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