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記事2003年12月13日 1919号 (2面) 
私立短大生の生活指導研修会 日短協
学生生活 満足度高める支援
学生指導の在り方めぐり討議
  日本私立短期大学協会(川並弘昭会長=聖徳大学短期大学部理事長・学長)は十二月三日から三日間、大阪府内のホテルで平成十五年度私立短期大学生生活指導担当者研修会(宍戸朗大運営委員長・尚絅学院大学女子短期大学部理事長)を開いた。「学生生活の支援体制とよりよい学生指導のあり方を求めて――学生生活の満足度を高めるために」を主題に、パネルディスカッションなどで情報を交換した。

 同研修会は、学生生活支援と適切な学生指導のあり方について検証し、さらに魅力ある短期大学づくりと学生生活の支援体制を確立することなどを目的に開いている。今年は約二百十人が出席し、三日間を通して基調講演やテーマ別グループ討議、パネルディスカッション、事例発表などを行い、学校行事や課外活動、生活習慣、マナーなどについて意見を交換した。グループ別討議などで紹介される各短大の取り組みに、参加者たちは担当者としての認識を一層新たにしていた。
 二日目のパネルディスカッションでは北原由夫・江戸川短期大学副学長・教授をコーディネーターに、島貫憲夫・東海大学短期大学部学務課長・就職室長ら五氏が実践的な試みを発表した。(以下、発表要旨)
 【学生生活への支援と対応】島貫憲夫・東海大学短期大学部学務課長・就職室長
 支援者間の指導記録の共有による連携指導は大きな効果をもたらします。大学内外にある情報を整理して蓄え、活用することが大切です。支援対応の記録や学生に関する情報をマニュアルなどの形にすることで、ほかの担当者や次世代に伝えることができます。しかも、担当者の交代や不在であっても、学生が同じ話を繰り返す必要はなく、学生のサービス向上にもつながります。
 指導体制そのものも、変わらなければいけません。事件が起きてからの支援では遅いのです。情報を収集することで、出欠や履修、学費納入の状況など学生の動向を把握し、問題を先に察知して声を掛けることができます。
 各部署には指導の一貫性がなければいけません。情報の共有化に向けて、機密保護などのリスクへの対応をどうするのか。教育・指導ポリシーを決め、おのおのが正しく理解してください。
 【基本的生活習慣とマナーに関する指導――「考えさせる」生活指導】吉田圭一・武庫川女子大学短期大学部学生部長・教授
 短大の学生も、四年制大学の学生も資質に変わりありません。わが校は大学と短期大学部の併設ですが、指導に区別はしていません。
 大学生の指導として、「あれをするな」「これをしなさい」といった方法でよいのでしょうか。大学生は自ら考えて行動することができるはずです。「考えさせる」指導が重要です。それには大学生としての態度を期待し、「考える」機会をつくることが必要です。
 まず、禁煙などを除いて、学内の活動などについて禁止事項は極力避けています。ほとんどを事前に届け出るか、願い出るようにさせています。届け出ることによって、考える機会を持つことができます。また、学生向けパンフレットやホームページに「考える」ためのメッセージを掲載しています。
 教員にも協力を依頼しています。教授会などで、禁煙や夏季の薄着などについての指導の要点をまとめた印刷物を配布するのです。「なぜキャンパス内は禁煙なのか」など、授業の中で教員の言葉で学生に話し掛け、「考える」材料を与えています。
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