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記事2003年12月13日 1919号 (2面) 
学位授与のあり方再検討
専門職大学院の評価等も協議
大学院部会
  中央教育審議会大学分科会の大学院部会は十二月九日、東京・神保町の学術総合センターで再開後初めての部会(第十七回)を開いた。部会長に中嶋嶺雄・アジア太平洋大学交流機構(UMAP)国際事務総長・北九州市立大学大学院教授を選任し、今後の審議の進め方などについて自由に討議した。委員からは大学院の在り方や専門職大学院などについての意見があった。
 文部科学省は例として、大学院での研究者養成について(1)教育内容・方法の質的充実(2)社会との連携(3)財政措置の在り方――などを検討課題に挙げた。
 具体的には(1)について▽学位の水準を維持しつつ円滑な授与を図るための学位授与の在り方▽専門職大学院と従来の大学院との関係――など、(2)は▽質・量の両面で社会の人材需要に対応する▽大学院の質的向上のため、社会からの支援の充実――など、(3)は▽大学院での研究者養成機能を強化するための財政措置――などを検討する。ほかに、制度の弾力化により設けられた多様な形態の大学院での教育の実状なども課題とする。
 委員からは「大学院とは何であるのか、概念が明確でないまま規制緩和が先行している。これは“大学院”ですかといったものまで、認可されている。質を保証できない理由の一つだ」「ほとんど学位を授与せずに存続してきた大学院もある。学位授与の在り方を見直すべきだ」などの指摘があった。
 専門職大学院については「高等教育の理念に合っていないが、司法試験合格者を多数輩出する法科大学院が現れた場合はどう評価すべきか」「司法試験に合格しなかったら、法務博士といいながらも職の無い状況になり、キャリアパスが見えない」「専門職大学院は導入されたばかり。社会に認識され、育つまではまだ時間がかかるとの認識で対応すべきだ」などの意見があった。
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