こちらから紙面PDFをご覧いただけます。



全私学新聞

TOP >> バックナンバー一覧 >> 2003年12月13日号二ュース >> VIEW

記事2003年12月13日 1919号 (2面) 
受験生減少の中 私大入試動向予測
16年の領域別では文理とも低調
医療・薬学系に人気
都心回帰に受験生敏感に反応
  平成十六年の私立大学入試は横ばい傾向が終わり受験生減少の第二幕が始まり、文理とも低調だが、医療系だけ人気が高く、文系では法学部入試が難化する傾向があるという予測を代々木ゼミナールがたてた。
 受験人口は八十二万五千人(現役六十九万二千人、浪人十三万三千人)で対前年比九六・六%。十一年の九十三万二千人から毎年、八十八万九千→八十八万千→八十七万七千→八十五万四千人と二十一世紀はやや小康状態が続いていたのが十六年では終わる。十八歳人口が横ばいから減少に転じるのに伴うもので仕方ない面があるが、国公立大学全体の人気は維持されるのに対して、私立大学では人気格差拡大につながりそう。国公立大学との関係ではセンター試験五教科七科目を実施する国立大が八七%に達する中で、科目数増加に不安を持つ層の私立大学併願は人気上位校のセンター試験利用入試に集中しそうな様相を見せている。このため私大上位校が微増微減で人気維持するものの、中堅校への出願数減少の影響はブレが大きく、その他の大学となるとさらに困難が予想される。
 領域別では十六年の人気は理低文低と全般にあまり元気なところがないが、理系でも医療系のみは人気高騰が継続している。確実に定員割れが避けられる薬学部は、六年制移行を前にした駆け込み定員増で、十六年には薬学部新設八校分を含む定員増が千七百四十五人。十七年にも複数校で新設計画があり、合否ラインは偏差値五十台の攻防となろう。
 文系で波乱が予想されるのは法学部。法科大学院などの影響で国立の法学部が九百人定員減となる分、私立大併願が増えるが、私立も早稲田が改組で法学部定員は九百七十七人から七百人へと減り難化は必至、慶應や中央へも波及しそう。
 キャンパスが都心へ移転する大学の人気は高く、十六年度では経営学部の二年次以降が伊勢原から自由が丘へ移転する産能大学、竜ヶ崎キャンパスから竜ヶ崎・新松戸キャンパス選択制へ移る流通経済大学、十七年度に文系五学部が朝霞から白山キャンパスへ移る東洋大学にも、受験生は敏感に反応している。都心回帰は確実に人気アップにつながるようだ。
記事の著作権はすべて一般社団法人全私学新聞に帰属します。
無断での記事の転載、転用を禁じます。
一般社団法人全私学新聞 〒102-0074 東京都千代田区九段南 2-4-9 第三早川屋ビル4階/TEL 03-3265-7551
Copyright(C) 一般社団法人全私学新聞