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記事2003年12月13日 1919号 (1面)
中央教育審議会大学分科会の制度部会は十二月三日、東京都港区の三田共用会議所で第七回の部会を開いた。大学分科会は今年八月、制度部会の再開を了承し、同日が再開後、初めての部会となった。自由討議では、短期大学・高等専門学校から大学院までの高等教育制度全体の在り方について意見を述べ、短期大学の準学士の位置付けなどを取り上げた。 文部科学省の提示した論点例のうち、短大の在り方については▽女子の四年制大学志向の高まりや十八歳人口の減少など、短大を取り巻く社会や時代の変化の中で、高等教育における短大の位置付けをどう考えるか▽地域の環境やニーズに適合したコミュニティ教育・教養教育を提供し、地域における生涯学習の場となるなど、短大の具体的な在り方についてどう考えるか。また、準学士の位置づけについてどう考えるかなど。 専門学校の在り方については▽専門学校と大学との連携のさらなる円滑化を図るにはどのような仕組み等が考えられるか。また、職業教育をキーワードとした教育体系の中で、高等教育機関たる専門学校の担うべき役割等についてどう考えるか▽専門士の称号所持者や大学等卒業者に対し、より高度な職業教育を行う専門学校等の増加を踏まえ、高度な職業教育機関としての役割を担う専門学校の今後の方向性はどうあるべきかなどを挙げている。 委員からは短大については「『称号』であることで、短大は大学ではないという印象を与える。短期だが、きちんとした大学教育であることを示すためにも『学位』と位置づけてほしい」「経済的や時間的な制約があり、すべての人が四年制大学に通えるわけではない。二年間という選択肢があることで高等教育を受けられる人もいる。短大の役割は重要だ」「社会人が入学する場合、働きながら学校に通うには二年制の方がよい」などの要望があった。
専門学校と大学との連携 大学設置審とも議論必要
また、専門学校については「最近では四年制の専門学校もある。そういった専門学校を卒業した場合、大学院に入学できるようにすることも検討してほしい」「十八歳人口は減少しているが、専門学校の学生数は減少していない。時代に必要とされている」などの意見があり、高専については「実験や実習を重視しているので、時間数を拡充してほしい」「留学した場合に、海外の学校と高専での単位の読み替えが不利である」などを指摘した。 ほかにも「『学部教育』という概念はあいまいだ。学士課程教育、準学士課程教育ととらえた方がよい」「資格取得や試験の知識だけを教えることを、専門職大学院と認可していいのか」「大学分科会と大学設置・学校法人審議会の認識にずれがある。大学認可は何でもありといった状況に近づいている」などの考えを示す委員がいた。 鳥居泰彦会長は「大学分科会と大学設置・学校法人審議会が一緒に議論する場がそろそろ必要だ。事前規制の完全撤廃ではない着地点を探すべきである」などと述べた。 |
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