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記事2003年4月3日 1885号 (2面) 
コミュニティ大学の創設を 全国大学・短大実務教育協が提言
短大と専攻科で学士に
地域密着型大学としての役割担う
  全国大学・短期大学実務教育協会(和野内崇弘会長)はこのほど、「コミュニティ大学(地域総合大学)創設にかかる提言」と題する提言書をまとめた。
 二十一世紀の高等教育全体のなかで短期大学が担える役割について多面的に検証、わが国の短期高等教育の更なる振興策の参考としたいとの考えだ。
 コミュニティ大学とは、既存の短期大学を基盤としながらも二年課程(三年制短期大学は一年課程)の専攻科を「学士課程」とすることにより、準学士課程の上に二年間の学士課程を設置、実質的に四年制大学化するというもの。
 これにより、徹底した地域密着型の大学として、職業教育など実務的な教育内容を特色とした教育が可能であるとしている。さらにコミュニティ大学のメリットとして(1)短期大学の専攻科の少人数制を生かした多様な教育(2)経営的な無理を強いて四年制大学にせずとも学士課程の教育が可能(3)規模の大きい大学の設置が困難な地方中小都市に適合する制度などを挙げている。
 国内の専攻科設置の短期大学は平成十四年度現在、百九十八校三百五十二専攻に及んでおり、専攻科において一定の基準をクリアすれば学士課程として認める措置が制度化されれば多種多様な人材育成の一つの本流となりうるとの考えだ。
 また、現在、短期大学から専攻科に進学した場合の学位取得については、「学位授与機構」の認定が必要で学生に強いる負担が大きいため、「学位授与機構」の認定によらず学位授与ができるよう求めている。
 高等教育のグランドデザインが現在、中央教育審議会大学分科会で審議されているが、地域密着型の学士課程を有する地域総合大学としてのコミュニティ大学のシステム採用も、そのひとつに加えるべきであり、地方自治体も短期大学を活用し、短期大学に一定の補助金を出すような制度、あるいは地域で必要とされる人材育成を短期大学に委託し、または、学科設置を私公協力で行うような柔軟な設計が必要な時代となっている、と結んでいる。
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