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記事2003年9月13日 1903号 (6面) 
平成16年度専修学校関係概算要求 文部科学省財務省に提出
専修学校 技術教育の役割高まる
前年度比4.5%増の35億円
新たに若者の自立・挑戦支援事業
  文部科学省は八月末に平成十六年度概算要求を財務省に提出した。このうち専修学校関係予算の概算要求総額は、前年度比四・五%増の三十四億七千九百三万四千円で、新たに「専修学校を活用した若者の自立・挑戦支援事業」を実施するのが特徴。五億千四百三十一万円を要求したこの事業は、正規雇用を目指しながら、それが得られないフリーター等(フリーター・若年失業者・無業者)の能力向上、職を獲得する上で必要となる知識・技術教育の提供、雇用機会の拡大を図るもの。現在、フリーター等とされる人は二百万人強に上る。

 新規事業は、具体的には、(1)専修学校関係者、企業関係者、学識経験者等により「若者の自立・挑戦支援企画委員会」を文部科学省内に設置、専修学校を活用した、多様で先導的なフリーター等に対する短期教育プログラムの募集・審査・採択、事業推進に必要な実地調査、成果の評価・普及を図る。
 (2)専修学校、企業関係者、学識経験者等からなる実施委員会を事業ごとに組織し、IT、バイオ、福祉等の分野で、企業等のニーズを踏まえた短期教育プログラムを研究開発し、各地域で成果報告会を実施する。
 (3)実務・教育連結型人材育成システム(日本版デュアルシステム)の導入=学びながら働く人のための就業を組み込んだカリキュラムの編成等についての先導的モデルの開発・導入を行う。各地域で成果報告会も行う。
 このうちフリーター等に対する短期教育プログラムの開発・導入では、専修学校の八分野(工業、農業、医療、衛生、教育・社会福祉、商業実務、服飾・家政、文化・教養)で各分野七校ずつ、合わせて五十六校程度で研究・開発を行う計画。
 また、実務・教育連結人材育成システムの導入では二十校程度での実施を計画している。

社会人の キャリアアップ 教育事業
IT人材養成プログラム開発など


 このほか専修学校関係の予算要求は次の通り。
 「専修学校教育等の運営改善に関する調査指導」=専修学校教育の課題について調査・研究討議等を行うとともに専修学校に関する最新情報を提供するガイドブックを作成・配布する(要求額二千百二十九万九千円)。
 「専修学校先進的教育研究開発事業」=専修学校の生徒を対象に、職業観の涵養(かんよう)、eラーニング活用、学校間の遠隔教育等緊急に対応すべき課題に迅速に応えるための新しい教育方法等の研究開発を行う(三億二千七百六十七万千円)。
 「専修学校社会人キャリアアップ教育推進事業」=離職者、失業者等のキャリアアップのための先導的な教育プログラム開発(三億千六百十七万八千円)。
 「専修学校ITフロンティア教育推進事業」=IT人材養成のためのプログラム開発等(二億千七百十八万五千円)。
 「私立学校施設整備費補助金」=専修学校(専門課程)の教育装置・学内LAN装置の整備費(三億二千五百万円)。
 「私立大学等研究設備整備費等補助金」=専門課程の情報処理関係設備整備費補助(九億五千五百五十万円)。

教員研修事業等補助も

 「専修学校教員研修事業等補助」=財団法人専修学校教育振興会が行う教員研修に対する補助(千六百五十六万円)。
 「国費外国人留学生制度」=専門課程における国費留学生の計画的受け入れ整備(七億八千五百三十三万一千円)。厳しい財政事情を受けて、各予算要求は前年度と同額ないし減額要求となっている。このほか、日本学生支援機構奨学金事業として、八百六十一億六千五百十九万九千円が要求されている。前年度と比べると、二九・五%の増額要求。



【全国簿記電卓競技大会 全経協会】
新潟会計ビジネス、大育高等専修
簿記、電卓とも優勝

全私学新聞後援

 社団法人全国経理学校協会(菅原一博理事長、東京都豊島区)は九月七日、東京・半蔵門の東京ダイヤモンドホテルで平成十五年度全国簿記電卓競技大会(文部科学省、全私学新聞後援)を開催した。簿記競技大会では、団体・専門課程で新潟会計ビジネス専門学校が、団体・高等課程では大育高等専修学校が優勝した。また、電卓競技大会では、団体・専門課程で新潟会計ビジネス専門学校が、高等課程では大育高等専修学校が優勝した。
 この大会は全国から集まった専修学校、高校の生徒によって簿記・電卓の技を競うもので、本年度は簿記競技大会に八十三人、電卓競技大会に百七人の選手が参加した。年々レベルが向上しているが、今年度から高校生が参加するようになり、僅(きん)差(さ)を争う戦いが繰り広げられた。開会式では主催者を代表して、菅原理事長が「二十一世紀は変革のときで、この変革に対応することが必要で、不易とともに流行も大事だ。皆さんも頑張ってください」と述べた。
 来賓の中込三郎・全国専修学校各種学校総連合会副会長は「この大会が皆さんの夢の実現に向かって、きっかけになってほしい。新たに夢に挑戦できるかもしれない」と選手たちを激励した。
 本田明子さん(広島会計学院専門学校)が、元気よく選手宣誓を行った後、競技に入った。競技終了後、武田結幸・審査委員長は「今日の大会をきっかけとして、次のステップを目指してほしい。今後、高校の活躍を期待したい」と述べた。
 団体・個人総合の結果は次の通り(敬称略)。

【簿記】
 ▽団体(専門課程)=(1)新潟会計ビジネス専門(2)郡山情報ビジネス専門(3)大育情報ビジネス専門▽団体(高等課程)=(1)大育高等専修(2)桐蔭情報経理専門(3)郡山経済専門▽団体(高等学校)=(1)新潟県立新発田商業(2)静岡県立浜松商業(3)神奈川県立厚木商業▽個人総合(専門課程)=(1)丸山洋(新潟会計ビジネス専門)(2)高橋岬(新潟会計ビジネス専門)(3)丸山成隆(新潟会計ビジネス専門)▽個人総合(高等課程)=(1)野口梢(桐蔭情報経理専門)(2)浦島あずさ(大育高等専修)(3)那嶺光(大育高等専修)▽個人総合(高等学校)=(1)渡辺良典(新潟県立新発田商業)(2)大國谷初美(新潟県立新発田商業)(3)田中真理(神奈川県立厚木商業)
 
【電卓】
 ▽団体(専門課程)=(1)新潟会計ビジネス専門(2)大育情報ビジネス専門(3)郡山情報ビジネス専門▽団体(高等課程)=(1)大育高等専修(2)郡山経済専門(3)北見商科高等専修▽団体(高等学校)=(1)静岡県立浜松商業(2)新潟県立八海(3)群馬県立吾妻▽個人総合(専門課程)=(1)平良翔子(大育情報ビジネス専門)(2)築山真理(新潟会計ビジネス専門)(3)武藤智美(新潟会計ビジネス専門)▽個人総合(高等課程)=(1)本柳陽平(郡山経済専門)(2)上村達也(北見商科高等専修)(3)崎原淳二(大育高等専修)▽個人総合(高等学校)=(1)藤澤具美果(静岡県立浜松商業)(2)本田真依子(同)(3)木村綾乃(同)

優秀な成績をおさめた団体を表彰する菅原・全経協会理事長

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