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記事2005年2月3日 1967号 (1面) 
特区の特例措置評価とりまとめ
構造改革特別区域推進本部評価委
株式会社立学校の評価先送り
幼保の合同保育全国化へ
構造改革特別区域推進本部(本部長=小泉純一郎首相)の評価委員会(八代尚宏委員長=(社)日本経済研究センター理事長)が、一月二十六日、内閣府内で第十一回会合を開き、株式会社等による学校設置など特区に限り認められている規制の特例措置を全国的に認めるかどうかの評価をとりまとめた。それによると株式会社等による学校設置については、文部科学省の主張に沿い、実施例が四例と少なく現時点で全国展開の弊害の有無を実証することは困難として、評価を一年先送りすることになった。二月中旬にも開かれる同推進本部で決定される。

 今回の評価委員会による評価は、平成十六年度下半期分として行われたもので、検討の結果、(1)二十特例措置について十七年度中に全国展開する(2)一例措置については十七年度上半期に結論を出す(3)十二特例措置については十七年度下半期に結論を出すこととなった。
 このうち株式会社等の学校設置(学校設置会社による学校設置事業)は一年後の十七年度下半期に結論を出すことになった。この件に関して文部科学省は、評価に当たっては、「少なくとも卒業生を出すまでの状況に関して実態把握が十分行われること、現在開設されている学校のみならず、相応の事例の集積を踏まえた総合評価が行われることが最低限必要」との考えを主張していた。
 評価委の検討の結果、文部科学省に対しては想定される弊害の発生の有無の判断に資する明確な評価基準も含め評価の手法を、特例措置の実施状況をふまえつつ、十七年度上半期中にその検討状況を評価委に報告。その検討結果を踏まえて評価委は十七年度下半期に評価を行うことになった。
 またこの特例措置と関連する、校地・校舎の自己所有を要しない小学校等設置事業ならびに大学等設置事業については、「全国展開により発生する弊害の有無については現時点では判断できない」との結論となり、これも十七年度下半期に評価を行うことになった。その際、校地・校舎の自己所有が、本当に学校の継続性・安定性を確保するために機能しているかを検討するため、現在の学校法人における校地・校舎を含めた資産の状況について調査する予定。
 さらに構造改革特別区域研究開発学校設置事業(学校種間のカリキュラムの円滑な連携や教科の自由な設定等、教育課程の基準によらない教育課程の編成・実施を可能とすること)については、子供たちの興味・関心が高まったとの成果の一方で、小・中学校の連携が取れていないなどの問題が見られたことから、これも十七年度下半期に評価を行うことになった。
 そうした一方で、全国展開が決まった特例措置もあり、文部科学省関係では、「幼稚園の教諭の専任規定に関わらず、幼稚園の学級定員の範囲内で幼稚園に在籍しない同年齢帯の幼児の教育・保育活動への参加を可能とする」「共用化指針に基づき設置された施設では、定員の範囲内で保育所の保育室において、保育所児と幼稚園児を合同で保育することを認める」「市町村の権限に属する保育の実施に係る事務を、当該市町村に置かれる教育委員会に委任することを可能とする」との特例措置が十七年度中に全国化されることになった。また「市町村採用教員に係る特別免許状授与手続きの迅速化事業」「市町村採用教員に係る免許状授与手続きの簡素化事業」の特例措置については十八年度中に全国化される。

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