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記事2006年3月23日 2016号 (1面) 
神奈川県の調査結果、県立より私立に高い評価
私立高校に対する県民ニーズ
私学が圧倒的に優位判明
 神奈川県では私立高校に対する県民の評価は、県立(公立)高校に対する評価を大きく上回っていることなどが、このほど、県の「平成十七年度県民ニーズ調査結果」(単純集計)で明らかになった。学校の特色や個性、授業内容、生徒指導、教員、就職など全十項目で私立高校の評価が県立を大幅に上回っており、私学発祥の県である神奈川県で改めて県民の私学に対する期待の大きさを窺わせる結果となった。

 しかし現実面では私立高校と公立高校には全国平均で約六倍もの学納金格差がある。その格差を生み出しているのは公費支出額の違い。今回の調査結果は、そうした公費支出額の公私間格差是正を求める私学関係者や保護者らの運動に大きな弾みをつけそうだ。
 この県民ニーズ調査は、毎年、県政のうち分野を決めて今後の施策の基礎資料にする目的で実施しているもので、十七年度は三位一体の改革や神奈川の教育等について調査した。調査対象は無作為に抽出した二十歳以上の県民三千人。調査結果によると、県立(公立)高校と私立高校との比較では、私立高校に対する評価が、(1)学校の特色や個性(2)授業の内容(3)学校の行事・部活動(4)大学などへの進学(5)就職(6)生徒指導(7)施設や設備(8)教員(9)学校の雰囲気(10)総合的にみると――の十項目全てで「私立高校の方がよい」と回答した人が「県立(公立)高校の方がよい」の回答者を上回っていた。例えば「学校の特色や個性」では私立五二・九%に対して県立四・三%、「授業内容」では私立三三・五%に対して県立五・一%、「生徒指導」では私立三七・七%に対して県立六・二%、「施設や設備」では私立五九・七%に対して県立四・六%などという結果だった。総合的には私立三六・四%に対して県立は七・六%どまりだった。
 そうした中で私立高校への進学には学納金の公私間格差が大きな障害となっているが、「もし、あなたが(またはお子様が)中学校三年生だったとしたら、県立(公立)、私立のどちらを選ぶか」との設問では県立(公立)高校とした人が四〇・三%に上り、私立高校を選ぶとした二六・五%を大きく上回った。これは現実的には公費支出額の違いによる学納金の差が私立高校進学を断念させている結果といえる。
(近く詳報)

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