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記事2007年7月23日 2072号 (1面) 
文部科学省 教育指標の国際比較公表
高等教育 諸外国と比べ低い公財政支出
私費負担の割合際立って高率
文部科学省は、このほど「教育指標の国際比較」を公表した。それによると、高等教育に対する我が国の二〇〇三年度の公財政支出は、国内総生産(GDP)の〇・五%に過ぎず、OECD(経済協力開発機構)三十カ国中最低レベルにあることが明らかになった。反対に高等教育費に占める私費負担は、GDPの〇・八%と、韓国の二・〇%、米国の一・六%、カナダの一・〇%に次ぎ、オーストラリアと並び第四位で、OECD各国平均(〇・四%)の倍の水準だ。

 高等教育(機関)とは、大学、短大、高等専門学校、専修学校専門課程だが、我が国では、高専以外の校種で私立学校の割合が際立って高いことなどから、公財政支出は、米国(一・二%)、フランス(一・一%)、ドイツ(一・〇%)の半分程度の水準にとどまっている。
 それだけに我が国の私費負担比率は、二〇〇三年、高等教育の場合、教育費全体の六〇・三%で韓国の七六・八%に次ぐ第二位の高率。フランス(一八・七%)、ドイツ(一二・九%)と比べると、三倍の水準。
 公財政支出と私費負担を合わせた高等教育費のGDPに占める比率は、一・三%で、一九九五年の一・〇%、二〇〇〇年の一・一%と比べると、徐々に比率は高まっているが、大半を私費に頼る形となっている。高等教育費の公財政負担の比率は三九・七%で、最も低い韓国に次ぐ第二位、また私費負担の比率はこちらも韓国に次ぐ第二位の高率で六〇・三%だった。
 一方、我が国では小学校・中学校・高等学校等が該当する「初等・中等・高等教育以外の中等後教育」では、GDPに占める公財政支出の比率は二・七%で下から三番目に低い水準。小・中・高校とも公立学校が極めて大きなシェアを占めているにもかかわらず低水準にとどまっている。OECD各国平均は三・六%。私費負担比率はOCED各国平均と同じ〇・三%。
 大学院の状況をみると、学部学生に占める大学院生の比率は、我が国では一〇・四%(二〇〇六年)。米国の一四・一%(二〇〇三年、フルタイム学生、パートタイム学生を加えると一六・八%)、英国の二一・六%(同、四三・一)、フランスの二三・六%(二〇〇四年)には遠く及ばない状況。
 各国の私立学校の比率をみると、就学前教育は、我が国では六四・一%(幼稚園・保育所、二〇〇六年度)。また韓国は最も高く七七・八%(幼稚園、二〇〇六年度)、米国が三六・二%(幼稚園、保育学校、二〇〇三年度)、フランスが一二・四%(幼稚園、二〇〇四年度)など。初等中等教育では、我が国は九・五%で米国の一一・五%、フランスの一八・一%、韓国の一六・六%を下回る状況。ロシアの私立の比率は〇・四%(二〇〇四年度)。
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