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記事2008年3月13日 号 (5面) 
新校長インタビュー (157) ―― 学習院中等科高等科
科長 北島 秀明氏
基礎を大切にきめ細かい教育
たくましい人間力育成
 学習院中等科高等科(東京都豊島区)の北島秀明科長は、「中等科ではさまざまな可能性を秘めた、未知数に溢(あふ)れた子供を求めています」と述べた上で、「総合的な基礎力の育成」を教育方針に挙げた。
 「生徒一人ひとりに個性の芽を見つけ、育て、開花の手伝いをすることです。その個性の芽をおおらかに、伸び伸びと成長させることが使命です」
 試験でははかることができない、「生きていく上で、どのように考え、判断していったらいいのか、生きていくに必要なものは何か、を考えさせ『たくましい人間力』」をはぐくむ。高等科では、中学時代に芽生えた個性、可能性の芽を存分に発揮できる環境づくりに取り組んでいる。
 現在、高等科の卒業生のうち約六〇%は、学習院大学に進学するが、四〇%は他大学にチャレンジするという。「進学校ではなく、先取り教育は行っていない」(北島科長)ものの、基礎を大切にした、きめ細かい教育課程を編成している。
 中等科の英語は、習熟度別小クラス制とし、二人の外国人講師による授業を行っている。数学は二年次までは単純二分割で行い、三年次から習熟度別二クラスとしている。さらに、数学は代数と幾何に、社会は地理、歴史、公民にそれぞれ分かれている。
 高等科は二年次以降多くの選択科目の中から、各自の授業内容を決めることができる。例えば、外国語は英語のほかに、ドイツ語、フランス語、中国語も用意し、国際的な視野を十分に考えている。総合学習にも力を入れ、生徒自ら問題意識を持って授業に取り組めるように工夫している。
 「高等科、大学を卒業し、さらに就職した後の人生のことも考え、教育しています。『たくましい人間力』とは結局、自分で考え、自分で判断できる力のことだと思います。学校が楽しいと思わせるような生徒に育ってほしい。そのための環境づくりを行っています」と意欲的だ。
 国語科教諭、教頭を経て科長職に就任。
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