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記事2008年6月23日 2102号 (3面)
新校長インタビュー (161) ―― 富士見中学高等学校
校長 板倉 清氏
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「中高合同の体育祭の閉会式の様子を見てください。本校の特徴が最も出ていると思います」と板倉清・富士見中学高等学校長(東京都練馬区)は、生徒たちが肩を組んで大きな輪を作り校歌を歌っている様子をパソコンで見せてくれた。 同校は「純真・勤勉・着実」を建学の精神に掲げ、「進路希望の実現」と「豊かな人間性の育成」の教育方針の下に、「進路指導」「学習指導」「行事・クラブを中心とした人間性の育成」を三つの柱に据えている。毎年多くの改革をしているが、中でも大きな改革が、特進クラスを廃止したことだ。 「中間層の生徒たちの学力を引き上げ、みんなで頑張ろうという趣旨に基づいています。その結果は進路実績が伸びてきました」と板倉校長は自信を持って語った。 同校の三本柱のひとつ「進路指導」では、@自己肯定観をはぐくむA他者からの刺激で自分を見つめるB夢や希望を高く掲げさせることを心掛けている。中学一年では、四月の宿泊オリエンテーションで人間関係を築き、自分の良さを再発見することから進路指導が始まり、中学三年では大学生、高校一年では社会人の卒業生によるシンポジウムを開いている。保護者を含む外部講師による講演会も開いている。また、高校二年では大学教授による模擬授業ウィークで、大学の学部・学科を調べ、自分の将来を見つめさせ、高校三年では、大学説明会を実施している。 「学習指導」では、@興味・関心を引き出すA基礎学力の定着B進路実現に見合う実力養成を心掛けている。「学力をつけさせるには、『自学自習』が最も効果的」(板倉校長)という信念に基づいて、学習は学校と家庭中心になるよう指導している。 「進路指導」「学習指導」に積極的に取り組むエネルギーをつくり出すのが、三つ目の柱である「行事・クラブを中心とした人間性の育成」だ。@自主性・協調性を育てるAリーダーシップとフォロワーシップを育てるBクラス・学年を超えて刺激し合うの三点を心掛け、生徒が中心となって活動するように指導している。 板倉校長の掲げる「学力は人間力」の考えに基づいて、今年は@生徒主義A失敗させる教育B安心感と居心地の良さを指導の重点項目にしている。 生徒中心の学校づくりを目指している板倉校長。生徒の感性をはぐくむために最適な環境も整えている。校内には六十余点の著名人の絵画・彫刻が展示されており、まるで美術館のような印象を与えている。 |
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