こちらから紙面PDFをご覧いただけます。



全私学新聞

TOP >> バックナンバー一覧 >> 2010年1月13日号二ュース >> VIEW

記事2010年1月13日 2158号 (1面) 
文科省の平成22年度私学関係予算案決定
私大等の授業料減免事業への支援倍増
高校等経常費補助単価据え置き
施設・設備補助は大半が減額

 文部科学省の平成二十二年度私学関係予算案の詳細がこのほど明らかになった。それによると、同省私学部が所管する私学関係予算案は、総額にして四千三百九十億三千五百万円で、前年度比六十六億円(一・五%)の減額となった。


 このうち四年ぶりに増額となった「私立大学等経常費補助金」は、前年度比四億円、〇・一二%増の三千二百二十一億八千二百万円。内訳は、一般補助分が二千百十九億六千八百万円で前年度比四億円の増額。増額分は、地方の中小規模大学の学生の教育研究にかかる経費を支援するため補助単価の増額等に充てる。特別補助分は一千百二億一千四百万円で前年度と同額。その中にあって、大学等の行う学生の授業料減免事業等への支援を、今年度の倍の四十億円に増額する。また自主的に経営改善に取り組む大学等への支援についても前年度比二億円増の十四億円を計上している。
 私立高等学校等経常費助成費等補助金は、前年度比三・九%、四十億円減の九百九十八億五千万円にとどまった。生徒等一人当たり補助単価は前年度と同額で、高校と中等教育学校後期課程が五万二千七百四十三円。中学校と中等教育学校前期課程が四万五千七百七十二円、小学校が四万四千百十六円、幼稚園が二万二千五百八十七円。
 また特別補助では障害を持つ幼稚園児の増加が見込まれることから、そうした子供を二人以上受け入れている私立幼稚園への支援を二億二千六百万円増やし、二十九億四千六百万円とする。過疎高校特別経費の生徒一人当たり補助単価は前年度比三百二十円増の六万八千三百七円。
 さらに平成二十二年度から始まる「高校等就学支援金」で対応が困難な家計急変世帯については、都道府県の授業料減免補助に対する国庫補助を引き続き実施する。加えて平成二十一年度第一次補正予算で、三カ年の予定で設けられた高校生修学支援基金について低所得世帯への補助単価増額や入学料の減免補助を基金対象事業に追加することなどについて文部科学省は財務省と協議中。小・中学校は従来通り生活保護世帯と家計急変世帯を対象とする。
 私立大学・大学院等教育研究装置施設整備費補助は、前年度比十八億二千三百万円、一九・七%減って七十四億四千五百万円。私立大学戦略的研究基盤形成支援事業、教育研究装置等整備費補助に加えて、必要性の高いバリアフリー推進事業、アスベスト対策を支援する環境衛生対策推進事業、エコキャンパス推進事業は、いずれも前年度と比べ減額。唯一、学校施設耐震改修事業が三五・九%増え十二億三千七百万円が計上された。
 私立大学等研究設備等整備費補助は前年度比九億九千百万円、一九・一%減り四十二億四百万円となった。私立大学戦略的研究基盤形成支援事業の研究設備分、そのほかの研究設備、教育基盤設備はいずれも前年度比減額となった。


高校等の防災機能強化補助も減額に


 私立高等学校等施設高機能化整備費補助は、前年度比三億三千八百万円、一六・六%減の十七億円。内訳は、情報教室や施設のバリアフリー化、カウンセリングルームの整備など教育内容や方法の改善を目的とした校舎施設の改造工事に補助する「施設高機能化整備費補助」が一億一千三百万円(前年度比七千七百万円減)、施設の耐震化のための耐震補強(耐震診断を含む)、施設の安全機能強化(防犯対策、アスベスト対策)のために行う工事等に対する「耐震機能強化施設整備費補助」が十五億四千五百万円(同二億五千三百万円減)、太陽光発電や校舎のエコ改修などの環境に配慮した校舎施設の改造工事に対して補助する「エコキャンパス推進事業」が四千二百万円(同八百万円減)。私立高校等IT教育設備整備推進事業は、前年度比二億円、二〇%減の八億円。私立学校施設高度化推進事業費補助は、日本私立学校振興・共済事業団から融資を受けた学校法人に対する利子助成事業。老朽校舎、危険建物と認定された旧耐震基準で建設された学校施設の建て替え整備事業、私立大学附属病院の施設整備事業等に利子助成する。

記事の著作権はすべて一般社団法人全私学新聞に帰属します。
無断での記事の転載、転用を禁じます。
一般社団法人全私学新聞 〒102-0074 東京都千代田区九段南 2-4-9 第三早川屋ビル4階/TEL 03-3265-7551
Copyright(C) 一般社団法人全私学新聞