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記事2012年10月13日 2252号 (1面) 
株立学校設置事業 文科省、内閣府が適切な運用を求める通知
通信制高校での法令違反等で 改めて留意事項等を提示
特区認定自治体に
政府は八月二十一日、構造改革特区制度で認められている「学校設置会社による学校設置事業」(株式会社立学校)についてあらためて適切な運用を認定地方公共団体に求めていくなどの対応方針を決定し、文部科学省、特区制度を所管する内閣府は相次いで認定市町村等に通知を発出した。
 このうち文部科学省は、九月二十一日、城井崇・大臣政務官(当時)名で「構造改革特別区域法第十二条第一項の規定に基づく学校設置会社による学校設置事業等について」と題する文書を認定団体等に発出した。この通知は、通信制高校を設置する学校設置会社による学校設置事業に係る留意事項をまとめたもの。その中では、特区法の規定により設置される評価・調査委員会が行う規制の特例措置に関する評価に係る調査で、法令違反に当たる、提携する民間教育施設(サポート校等)が当該高校の看板を掲げたり、学校が備えるべき表簿が提携する民間教育施設で保管されていたり、当該学校の教員でない者や校長の監督権が及ばない者が添削指導や試験の実施等の学校教育活動を行っている事例が見られた、と指摘。また、改善が必要な事項として、通信制課程の教育の基幹部分である添削指導において、マークシート形式のように機械的な採点ができる課題や、択一式の問題のみで構成される課題、正誤のみで、必要な解説がない事例、さらに試験では全科目で自由な成果物の提出を試験の代わりとしたり、問題が毎年同じ、自宅で試験を実施するなどの不適切な事例が見られたと指摘。施設設備面でも同様な指摘を行い、加えて認定地方公共団体の教育事務体制に係る体制の強化も求めている。
 一方、内閣府は十月五日、加藤利男・地域活性化推進室長名で認定団体に「学校設置会社による学校設置事業に関する取り扱い」と題する通知を発出している。その中では学校設置会社が設置する高校は、通信制課程で行う教育として面接指導等(添削指導、面接指導、試験)を行う場合、当該面接指導等は認定計画に記載された構造改革特別区域内で行われること、認定団体は学校設置会社が設置する学校への指導助言体制を確保することを求めている。同時に高校の運営の継続に十分配慮すること、過度な規制強化につながらないことへも十分留意すること、としている。なお通知は八月二十一日の政府の対応方針も添付、その中で文科省は株立学校が学校法人化を希望する場合、制度の弾力化等について情報提供するなどの支援を行うとしている。


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