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記事2017年5月3日 2408号 (1面) 
内閣府地方大学の振興など有識者会議
「中間報告」を近く公表へ
23区内の定員増は「認めない」と

内閣府のまち・ひと・しごと創生本部の「地方大学の振興及び若者雇用等に関する有識者会議」(座長=坂根正弘・コマツ相談役)が5月11日、東京・霞が関の中央合同庁舎第8号館で第6回の会合を開いた。「地方創生に資する大学改革に向けた中間報告(案)」を議題とし、細部の修正を座長一任として議論を終えた。近日中に完成版が公表される見通し。  注目された、東京圏における大学の学部・学科の新増設抑制についての記述は「東京23区においては、大学の定員増を認めないこととする」とされた。ただし総定員の範囲内であれば、既存の学部・学科を改廃しての新設や、社会人や留学生の受け入れは認める、としている。さらに注記で「我が国の研究教育の発展に貢献し得ると認められる定員増等については、規制の対象から外すべき」との意見があった、とも付された。この報告案に対し、委員の一人である鎌田薫・早稲田大学総長は、定員増の抑制は学問の自由や教育を受ける権利に対する強い制約である、私立大学は収入の大半を学生納付金に頼らざるを得ないのが現状であり、教育再生やイノベーティブな研究の推進を妨げるといった反対意見を表明していたものの、ほぼ案のとおりの中間報告となる見込み。  新増設抑制以外の取り組みの方向性としては、自治体首長のリーダーシップによる産官学連携の強力な推進、東京圏の大学・研究開発法人との積極的連携、大学への補助金を「地方創生に資するメリハリの効いた配分にする」、東京圏の大学のサテライトキャンパス設置、東京圏の大学と地方大学との単位互換などが示されている。  中間報告は取りまとめの後、6月に示される「まち・ひと・しごと創生基本方針2017」「骨太の方針2017」にも反映されるとみられるが、現段階では未確定。同有識者会議は今後も議論を重ねて、12月に最終報告をまとめる予定。

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