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記事2018年5月23日 2443号 (1面) 
自民党の教育再生実行本部
第十次提言まとめる
いわゆる“出世払い”導入  中間所得層にも配慮し
恒久的教育財源確保特命チーム

自由民主党の教育再生実行本部(本部長=馳浩・衆議院議員、元文部科学大臣)が5月17日、第十次提言をまとめ、同22日に安倍総理に提出した。提言は、同本部の高等教育改革部会の提言、次世代の学校指導体制実現部会の中間まとめ、恒久的な教育財源確保に関する特命チームの中間とりまとめからなっており、このうち恒久的な教育財源確保に関する特命チームの中間とりまとめは「卒業後拠出金制度」(JHECS)の創設を提案したのが特徴。この制度(JHECS)は、オーストラリアの制度等を参考にした高等教育段階の経済支援策で、家庭の経済力に左右されず、18歳で自立する社会の実現等を目指している。JHECSを利用する学生は大学等への入学時に自身のマイナンバーを登録、授業料、入学金相当分の支払いは国が立て替え、入学時及び在学中は授業料の支払いを求めないか又は大幅に軽減し、学生は卒業後、支払い能力に応じて所得の一定割合を納付するという仕組み。  対象となる経費は授業料と入学金。授業料は国公立大学で約54万円、私立大学では70万円(または88万円)。入学金は約28万円。家計所得が約1100万円未満等の所得制限を設けるが、成績要件は「進学意欲のある者」のみ。利用者について利息や債務保証の利用者負担は求めないが、一定の制度利用料を求めることを検討する、としている。納付開始は課税時点からで、非課税の場合は最低納付額・2千円を納付する。納付率は課税所得(控除後の所得)の9%。納付期間は納付完了まで。  政府が昨年12月に閣議決定した「新しい経済政策パッケージ」に基づき、現在、文部科学省内で高等教育段階における負担軽減方策が専門家会議で検討されているが、支援対象は低所得者が想定されているため、自民党の中間取りまとめでは、中間所得層に対してJHECSの導入を提案。  また低所得世帯と中間所得層との間での支援の公平性(「新しい経済政策パッケージでは低所得世帯にかなり手厚い支援が行われる見通し)の観点や財源問題も含めた制度の持続可能性等も勘案して、自民党の中間とりまとめでは低所得世帯の学生に給付型奨学金を支給し、授業料・入学金分については家計状況によらず全ての学生にJHECSを導入するといった制度設計も考えられる、としている。  一方、高等教育改革部会の提言では、私立大学に関しては自主性・多様性を生かした特色ある大学となることが強く期待される、大学の撤退は在籍する学生を始め、地域社会等の幅広い関係者に大きな影響を与えることから、特に文部科学省は適切な対応策を予め講じることが必要としている。短大に関しては高齢者の受け入れ、保育士・幼稚園教諭養成、介護人材、栄養士等の育成等、特徴をより一層発揮する必要性を指摘している。

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