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記事2018年6月13日 2445号 (1面) 
高等教育段階の負担軽減会議
私学3団体から意見聴取 
実務経験教員割合等で懸念 

文部科学省の「高等教育段階における負担軽減方策に関する専門家会議」(三島良直座長=国立大学法人東京工業大学長)は5月22日、文科省内で第5回会議を開き、日本私立大学連盟、日本私立短期大学協会、全国専修学校各種学校総連合会など6団体から意見聴取した。同会議は昨年12月に政府が閣議決定した新しい経済政策パッケージに盛り込んだ高等教育の無償化に関し、支援対象者の要件の在り方や対象となる大学の要件など詳細を検討している。  ヒアリングの中では、私大連盟の三木義一常務理事(青山学院大学長)は、「実務経験がある教員による科目の配置が一定割合を超えていること」との検討案に対して、「学問分野(学部間)によって実務の定義や考え方が異なること、開設総科目数を母数とすると、多様な科目を置いている大学ほど条件クリアが困難」と指摘。また「外部理事が一定割合を超えていること」との検討案には「外部人材というだけでは大学の健全な発展には必ずしもつながらない」などとしている。  日短協の坂根康秀副会長(香蘭女子短期大学理事長・学長)は実務経験のある教員による授業の割合に関しては、実務経験のある教員とそうでない教員とのオムニバス方式での授業や実務経験の内容をどう判断するかで正確な割合を出す難しさや、外部理事の登用に関して、「小規模で理事定数5名の場合、2割を超える外部理事を置くことは法人によっては厳しい場合もある」と語った。  全専各連の菊田薫事務局長は検討されている奨学金等受給者に関する厳格な成績管理の実施・公表に関して、GPA下位の受給者であっても国家資格を取得することは十分にあることや、特定の分野で突出した才能を発揮する学生がGPA下位ということで支給を打ち切られることも考えられるとして、GPAを用いた支給の打ち切りには大きな問題があると指摘している。同会議は6月15日に最終となる第6回会議を開き、約半年にわたる検討結果をとりまとめることにしている。高等教育の無償化は2020年4月から実施される。

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