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記事2020年5月23日 2510号 (1面) 
経済財政諮問会議を開催
教育・科学技術分野に関して 「新たな日常」構築を議論

 政府の令和2年第7回経済財政諮問会議(議長=安倍晋三総理)が5月15日、総理官邸で開かれ、教育・科学技術分野の「新たな日常」の構築に向けた議論が行われた。この日は臨時議員として萩生田光一・文部科学大臣も会議に出席した。  この中で閣僚や日銀総裁以外の4人の民間議員からは、「教育・科学技術政策について〜デジタル化・リモート化を活用した学びの継続、教育・科学技術の変革〜」と題する意見書が提示された。

 意見書では感染症により学校を休業せざるを得ない歴史的事態が続いているとし、デジタル化・リモート化を活用して学びを止めないこと、教育格差を広げないことが最優先課題だと強調。また、こうした変革を教育や科学技術に取り込み、未来への強固な礎を築くべきだと強調している。

 小学校・中学校に関しては、高速通信環境が整っていない家庭に学習用ICT機器を速やかに貸与し、学校休業中の学習フォローを強化すべきで、オンライン教育やデジタル教材の活用等の先進的な取り組みを見える化し、横展開を加速すべきだと指摘。また、BS放送大学の枠を活用した教育番組を速やかに開始するとともに、NHKのEテレのサブチャンネルを活用した教育コンテンツの放送枠を拡充すべきだとしている。さらに進学・入試を控えた中学校3年、小学校6年を中心に、夏休み等に空調を整えた上で授業を補充し、入試の延期、9月入学の検討を含め、年間予定を学校間でも接続し、年度を超えて円滑に運用すべきだとしている。

 高校・大学に関しては、高校・特別支援学校高等部において学習用ICT機器の整備、家庭向け貸与を速やかに進め、オンライン教育を活用。進学・就職を控えた高校3年を中心に夏休みにおける授業の補充・補習、相談支援の強化とともに、入試の延期、9月入学の検討、就職活動の弾力化を進めるべきだとしている。

 教育のICT化による質向上に関しては、教員のICT活用能力の向上、コンテンツ開発を促すよう求めており、コミュニケーション・課題解決力の育成、習熟度別指導の充実に向け、アクティブ・ラーニング、アダプティブ・ラーニング(協働学習や疑似体験等による学びの充実、学習データの活用による学力向上が期待される)の魅力的な教材を学校端末に標準搭載すべきだとしている。

 このほか、プログラミングの正式な教科への位置付け検討、能力・資質に応じた学年を超えた学びを進め、教育の自由度を向上させるべきで、これにより小中高校を含めた飛び級を含め、学校を超えた上級科目の単位認定の拡充を検討すべきだと訴えている。

 また、大学・地域のデジタル化に関しては、理系・STEAM人材の地元定着に向けて、やる気のある地方大学に地元枠(一定期間の地元就業を前提とした定員枠)を設定、地元での起業を支援する等の工夫を検討すべきだとしている。

 世界的な高等教育機関のオンライン化の潮流を、大学間交流協定による単位互換、共同研究の拡大で取り込み、大学のネットワーク化、グローバル化を加速すべきだとしている。

 一方、萩生田文科大臣からは、博士課程学生の処遇の向上(経済的支援の充実)やアカデミアでの安定的なポスト確保など研究力向上の源泉となる若手研究者への支援策等が説明された。

 最後に安倍総理からは文科大臣に教育分野の早急なデジタル化・リモート化が指示された。
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